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税金から解放?元弁護士がとある事件を解決する金融サスペンス「永遠の旅行者」読書記録

こんにちは。Kanemori【かねもり】です。

読書記録です。

橘玲「永遠の旅行者」上下巻 幻冬舎

マネーロンダリング」と「タックスヘイヴン」の姉妹作で、主人公がやっぱりカッコイイ。上下巻なのでボリュームたっぷり楽しめました。

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「永遠の旅行者」

あらすじ

『永遠の旅行者(上)』 元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した――。謎とスリルの上巻。 ■『永遠の旅行者(下)』 まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか? そして、まゆが何者かに誘拐された――。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『罪と罰』完結!

www.gentosha.co.jp

以下ネタバレ含みます。

世界観

全体的に金持ちが金持ち相手に仕事するという、ワタシのような庶民としてはかなり現実からかけ離れています。お金に関する難しい単語がたくさん出てきますが、軸はサスペンスな物語なので、知識が無くても十分に楽しめるないようです。

主人公がイイオトコ

主人公は「パーペチュアルトラベラー(永遠の旅行者)」といって、各国で居住者にならず税金を国家に合法的に払わないライフスタイルの元弁護士・真鍋さん。お金持ちさんで世界中を巡りのんびり暮らしています。物語の始まりは、南国ハワイ。

ワイ島に滞在している真鍋さんは、いつもアロハシャツにジーンズという格好で物腰が柔らかく、ジャガー(借物)を乗り回しサーフィンやパーティを楽しみ、片手間でお仕事する。肩書だけでもカッコイイのですが仕事ぶりもカッコイイのです。

ハワイの情景がステキ

ハワイ好きにはたまらない、憧れの楽園の海や山や空が細やかに描かれています。ハワイ島大自然や食べ物、生活する人々。オアフ島の都会的な街並みや青い海と青い空。情景が浮かびトリップしたくなります。今度ハワイに行ったら、星空観測がしたくなりました。

 美女ふたりが魅力的

主に真鍋さんと以下2名があれやこれやとしています。

てっきり真鍋さんと智子さんがいい関係に落ち着くのかなと思いましたがそうでもないようです。美女二人と旅をする真鍋さんはやっぱりイイオトコです。

まゆ

 真鍋さんが依頼を受けた大きな仕事「20億円の資産を税金を納めず孫娘に相続させる」対象の「孫娘」まゆちゃん。登場の仕方はまあまあトリッキーで、精神を病みお屋敷に立てこもっているかなり異常なオンナノコ。お嬢様育ちでホントは美少女なので、話が進むと彼女の魅力がどんどん出てきます。悲しい出来事を乗り越えていく彼女の成長も見どころの一つ。

 智子さん

 真鍋さんの元同僚で超有能な弁護士。美人で自信家でカッコイイ女性。真鍋さんとはオトナの関係で、「君よりすこし小さな胸に合うブラジャーのサイズは?」なんて質問をされる間柄です。バーやレストランで食事の際のイイオンナぶりは憧れるところです。まゆちゃんを妹のように可愛がる人間味のある一面も。

感想

リゾートでパーペチュアルトラベラーとして暮らす真鍋さんのステキで羨ましいライフスタイルの説明から始まり、今回の大仕事の依頼を受けます。まず難しい単語が続く辺りは読んでいて勉強になりますが次第に退屈になります。難しい説明がお腹いっぱいになってくる頃、ストーリーが進みます。

シベリアの話

「20億円の資産」の持ち主、麻生おじいちゃん。彼がシベリアで拘留されていた時ののお話は戦争の生々しさと当時のロシアで生き残ることの厳しさ、人と人が助け合う姿と憎み合う姿を描いています。ちょこちょこ出てきたこのシベリアのお話が、最終的に全ての事件の根本になっていて、「あぁ、ここで繋がったのね」と気持ちよく伏線を回収してくれたのでスッキリできました。

「真犯人」さんについて

途中までいい人だった「真犯人」さん。数々の犯行があばかれた途端、精神的に相当まいっちゃってるのが明るみに出るのですが、その生い立ちがとっても気の毒。でも擁護できないくらい悪い事してます。登場から彼の「笑顔」に違和感を感じていましたが上巻では全く気が付けませんでした。「まゆちゃんをこれ以上傷つけないでくれ」と心底思いましたヨ。

まゆちゃん父の行方

そもそも「20億円の資産」の相続権を持つ父親は何処にいるの?という謎が最初からあります。突然失踪して以来、生きているのか死んでいるのか分からない。出てきたら相当なダメ大人でした。ニューヨークの裏の裏でおクスリ漬けになって人として最底辺まで落ち、病気で残りの命も少ない。そんな中でも娘への愛は忘れておらず、絶命寸前に真鍋さんがまゆちゃんを連れて来てくれて幸せな最期だったんじゃないのかと思います。涙。

誘拐されるまゆちゃん

一番気の毒な立ち位置のまゆちゃん。いろんな人の利権のために振り回され続けます。2回も誘拐されるって…。父親が隠していた母の死の真相は間違いで本当に良かった。殴られ引きずり回されても強く素直な彼女の強さには感服です。アメリカに留学して、オトナになって、おじいちゃんの遺産を相続して。きっと素敵な女性になるはずです。

おわりに

「爽快金融サスペンス」という表現がぴったりの本作。爽やかでお金持ちで仕事ができるイイオトコが、難しい問題をひとつずつ解決して、最後は美少女とその周りの人たちを救うハッピーエンドです。重苦しい出来事も描かれていますが、読了の際はスッキリするはずです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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